こんにちは、かわきせ日記帳の木村です。
ゴールデンウイーク真っ直中ですが、みなさんいかがお過ごしですか。事務所周辺では、自宅をはじめ軒先にお祝いのちょうちんを飾るお宅がちらほら見られ、先日は5年ぶりのお御輿も出ました。田植えの季節に豊作をお祈りする文化は全国的に減りつつあるものの、まだ感じることができていてうれしく思います。
■「『権利義務に関する書類』の作成とその代理、相談業務」
さて、今日はGoogleで「日本行政書士会 行政書士の業務」と検索すると表示されるページの業務2つめ、「『権利義務に関する書類』の作成とその代理、相談業務」についてです。
この業務で最も多いのが、遺言書や遺産分割協議書の作成など、遺言や相続にまつわるお手伝いです。昨今よく話題になる終活の一つとも言えます。「権利義務に関する書類」とは、権利を生んだり、変えたり、もしくはなくさせる意思を記した書類を指します。ですから、「自分が亡くなったら、残った財産は妻と子どもで2分の1ずつ分けてほしい」といった相続の権利が発生する遺言書なども当てはまるのです。といっても、行政書士が扱えるのは、相続人がみな納得した上で書かれた遺言書、もしくは亡くなられた後も揉めごとなく話し合いが行われた遺産分割協議書の作成のみですが。
■家族やパートナーに安心してもらうための遺言書づくり
遺言書は、ご本人がご家族と一緒につくることができる書類です。時間がある分、納得の行くまで考えることができます。とはいえ、遺言書を作る場合も揃えなければならない書類はあります。ご実家が遠方であれば、地元にいる相続人の書類を集めるのも一苦労です。行政書士はそうした書類もお客様に代わって集めたり、財産の目録をつくるお手伝いをしたりすることができます。
行政書士は、遺言書がない場合の遺産分割協議書も作成できます。ただし、相続手続きは期限が3カ月と非常に短く、その間に相続人を探し出して相続する・しないなどを決めていただきます。そして、財産目録を元に相続人全員で話しあい、分け方を決めていただかないと遺産分割協議書は完成できません(法律で決まっている親等の比率や各人が持つ「遺留分」の権利とはあるものの、各ご家庭で分け方はさまざまです)。悲しみと期限の狭間で協議を行うのは、とてもたいへんなことです。遺言書の作成が盛んに言われているのは、相続手続きに振り回されることなく、大切なご家族に安心して過ごしていただけるようにという意味もあるのでしょう。
この遺言書は、同姓パートナーやおひとりさま、障害を持つお子さまの未来を守る上でも大きな安心材料となってくれます。たとえば相続人がいない財産は国のものになってしまいますが、おひとりさまの方であればご希望される団体への寄付やご親族などへの遺贈、同姓パートナーであればお相手への遺贈の意志を遺言書に記されていれば、残された財産は確実にその方に渡されます。団体への寄付であっても有意義な形で活用していただけるはずです。
ちなみに、遺言書や遺産分割協議書以外にも、贈与や売買などの各種契約書をはじめ、嘆願書や陳情書、企業の定款なども作成することができます(ただし、企業の登記/設立ができるのは司法書士のみです)。
最も身近な「権利義務に関する書類」ということで、今回は遺言書や相続のお話が多くなりました。昨今は「家じまい」という言葉も頻繁に聞かれるようになっています。できればご家族全員が元気なうちに、実家の整頓もかねて現在の資産がどれくらいあるのかという確認だけでもされることをおすすめします。実家の片づけって、始めてみると思った以上に、本当に体力もいるし大変なんですよね。