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『くさつビズサポカフェvol.1』に参加してきました(前編)

こんにちは、かわきせ日記帳の木村です。
昨日15日、キラリエ草津(草津市立市民総合交流センター)で行われた『くさつビズサポカフェvol.1』(以下、ビズサポカフェ)に参加してきました。
編集部を辞めた後、なんとなくライターとしてお仕事がもらえるようになり、また会社員になる予定だったのにいつの間にかフリーランスになっていたため、創業とか開業講座とか起業支援という単語には無縁で過ごしてきたわたくし。初めて経験したイベントでは今までに聞いたことのないお話がたくさんあったので、記録も兼ねてレポートをしておこうと思います。長くなったので16日、17日の前後編でお届けします。

■「草津市ビジネスサポートセンター(くさつビズサポ)」について

「草津市ビジネスサポートセンター(くさつビズサポ)」とは、草津商工会議所と草津市が共同で運営し、双方が持つノウハウを「市内での創業や新事業展開などの経営課題にワンストップで対応する」という施設です。2023年7月に策定された草津市産業振興計画における重点施策の一貫として開設されました。今回は、そのくさつビズサポによる初の「創業をめざす人や創業間もない人向けの学び&交流セミナー」だったそうです。

そもそも、草津市役所では、以前から商工観光労政課が担当する立命館大学BKCインキュベータの紹介や補助金制度の紹介、男女共同参画センターで行われる草津市の女性チャレンジ応援塾「輝☆業塾(起業塾)」といった起業や創業支援がいろいろな形で行われてきました。また、草津商工会議所でも入会者を中心に、事業経営のための知識習得や各種情報の周知、起業家同士のネットワーク構築などを長年行ってきています。こうしたそれぞれの制度や機能のいいところを集めたのがくさつビズサポなのです。

大まかには3つの機能があり、一つ目が、創業や経営に関する個別相談、二つ目が、セミナーやイベントなどによる経営スキルの習得、三つ目が、ネットワークを活用したマッチング支援です。

もう少し詳しく紹介すると、個別相談では、起業を思い立った人から経営の課題に悩む起業数年の人まで誰でも気軽に専門家に相談できます。コーディネーターは、経営戦略や事業承継、経営幹部育成のコンサルタントである笠井智美さん。どんな業種であっても、事業計画書の書き方から準備に必要なノウハウまでしっかり教えてもらえるそう。構想段階から開業まではもちろん、開業後もサポートしてもらえるので安心です。経営スキル習得では、経営スキルの向上セミナーや今回のようなビジネスカフェのような交流会を通じ、仲間づくりやビジネスを促進する知識の向上が望めます。マッチング支援では、草津商工会議所の久家伸丹(くけ・のぶあき)さんや、立命館大学びわこ・くさつキャンパスの小林邦彦さんらがコーディネーターを勤め、産官学金や企業間の連携などに取り組むことができます。また、事業者訪問による課題やニーズのヒアリング、ビジネスパートナーの紹介、販路の拡大や補助金支援制度なども相談できるため、ものづくりや会社の拡大を考えている人にもいいでしょう。また、個別相談と経営セミナーを受講し修了証を取得すると、法人登記料の減免といった複数の特例措置が受けられる特定創業支援事業があるのもポイントです。

「草津市ビジネスサポートセンター(くさつビズサポ)」https://www.kusatsu-bizsapo.com/

■「くさつビズサポカフェvol.1」で先輩起業者の話を聞く

当日は、下記のような内容で行われました。

1.くさつビズサポの概要説明(前述)
2.先輩創業者3名の体験談「私の創業体験と今後の夢」
3.コーディネーター笠井智美さんのミニセミナー&ワークショップ「起業の心構えや必要な準備/『事業主から経営者へ』の成長の秘訣について」

会場はグループごとに座る形式でしたが、第1回とは思えないほどの盛況ぶり。40代くらいまでの方が多い印象でしたが、起業や創業を考えている方は多いのだなと実感させられました。くさつビズサポの概要説明ののち、先輩創業者3名が「私の創業体験と今後の夢」というテーマで、各自が経歴や起業の経緯・ターニングポイント、現状の課題と今後の計画について講演されました。

(1)結婚相談所「Daisy flowers」中島尚子さんの場合

結婚相談所「Daisy flowers」(http://www.daisy-flowers.com/)代表の中島尚子さんは、前職で結婚相談所に関わったことから自宅でも開業できる現在の業務を選択されました。ストレート(異性愛者)の方々はもちろんLGBTQ+の方々の相談も行っており、草津ではかなり先進的です。

主婦として子育てをしていた時に読んだ書籍、リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)に影響を受けたのが、振り返ると大元のきっかけだったそうです。

「仕事と私生活を分割して考える“ワークライフバランス”ばかりに注目していましたが、この本で仕事と私生活を一括りにしてしまう“ワークライフインテグレーション”の思考を知り、衝撃を受けました。私生活と仕事をわけなくてもいいんだと」

2017年に在宅ワークセミナーを受け、2021年に独立。「子育ての合間の時間を使って何ができるか」から導き出したのが、経験のあった結婚相談所でした。そのタイミングで創業コーディネーター派遣制度で葛西さんに出会い、社会人経験の少なさからくるコンプレックスなどを相談。「どんな経験でも生きる」「コンプレックスを活かすのはむしろいいこと」と言われて勇気付けられたと言います。半年かけて自らの強みや経営理念、マーケティングを学んで卒業。この時作成した経営理念は今とは少し変わったものの、初心に立ち戻るキーワードとして大切にしています。

1年目に草津商工会議所に入会し、広告費などの出費を抑える一方セミナーなどには惜しまず参加し学びに注力。2年目になると昨年の種まきが芽を出し始めたため、実践へと行動を切り替え、売上や利益も意識するように。3年目は収入の柱を増やしたり、補助金獲得に挑戦したりと事業拡大の方向へ。事業計画は子育てと同じく3年単位で行っているという中島さん。3〜6年目では、婚活から結婚相談所へ、メタバース上での相談所開設、行政との共同事業などを計画中です。

「とはいえ、経営理念の事業性は変えないよう注意しています。創業とは、子育てと同じてお互いに育て合うものだと思っています。また、自分がしたいと自分らしさはイコールではないということも大事です。強みを考え続けることでできることが見えてくることもあります。そもそも自分で決めたことですから大変だとも思わないんです」

経営者としての力強い言葉とともに、草津には主婦でも挑戦できる環境があることは本当に大きいことです、と締めくくりました。

(2)雑貨EC販売業「クリボウ合同会社/ニコリーファム」栗崎樹里さんの場合

クリボウ合同会社の栗崎樹里さんは、ECを中心にリラックスグッズなどを扱う「ニコリーファム」という雑貨販売サイトを行っています。前職は大阪でデザイン業、副業で物販を行っていましたが、結婚と出産を機に草津に引っ越し。そこで自身のやり方を見直す時間が増え、子育てと並行するための効率化として物販のみにシフトしたのが、一つのターニングポイントだったといいます。2019年の立ち上げから5年、現在の課題はブランディングの強化と円安に負けない商品価値づくりです。3年後までには、事業規模に見合った雇用創出や輸出業の展開を行いたいとのこと。「元々 “豊かなホームライフを世界の人々に提供する”という企業理念を実現するためにも、今後は輸出業にも力を入れていきたいです。私は一人でずっとやってきたので、草津商工会議所に入ったことで、相談できる人ができたのは本当に心強く感じました。笠井さんのハンズオン(個別)支援を受けたことで事業内容もより深まったと思います。くさつビズサポもできて今まで以上に起業、創業に関する環境はよくなっていますから、どんどん活用されるといいと思います」

と語っておられました。

(3)「Printwear Shop osoro」梶野友基さんの場合

トリは、Printwear Shop osoroの梶野友基さん。その名の通り「おそろいのウェア」で人々をつなぐという夢を持ち、オリジナルウェアやユニフォーム、販促グッズなどの制作販売を行っています。前職で営業やプリント工場への出向などを経験し、働くうちに「お揃いのウェアで人を幸せにできないか」と2018年頃から独立を考え始めたそう。コロナ禍の中で独立に向け勉強をしていた頃に出会ったのが草津市の創業支援でした。事業計画や資金調達、宣伝計画などを中心に学び、事業計画では事業のコンセプトやドメイン、マーケティングなどを徹底的に考え抜いたそう。曰く、

「看板やフリーペーパー、Webサイト、SNS、広告でできるものはぜんぶやってください」

というのも、osoroの1年目は残念ながら赤字に。徹底的に見直したところ広告宣伝ができておらず、PDCAを回せていなかった所に課題があったと気づいたのです。そこで草津商工会議所に相談に行き、見本市への出展などPR活動の場を紹介してもらったり、資金調達の相談を受けてもらえたことが大きかったそう。中小企業同友会などを紹介してもらい、異業種交流会に参加する事で、売り上げの拡大に繋げられたこともその一つ。異業種交流会もさまざまあるので、売り上げ拡大や人脈づくり、学びなど目的を持って選ぶのがポイントと語っていました。

「とにかく行動することが大事。机上の空欄が一番よくないんです!」

事業売上が伸びていることもあり、人脈と利益の拡大をめざした5年計画を立てている梶野さん。2024年10月11日の法人化に始まり、2027年には5人の雇用と社員満足度80%の実現、2029年には10人の雇用と社員満足度90%の実現と勢いは止まりません。講演の最後では、堀江貴文やとろサーモン久保田の言葉を引用し「行動する10%の人になる」ことや「人の100倍仕事を好きになる」ことが強みになるといった糧とする言葉も紹介。パワフルな起業の先輩ここにあり、といった講演でした。

本日はここまでです。笠井さんのセミナー内容は17日(金)の後編にて掲載します。

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