Blogかわきせ日記帳

遺言書づくりにも役立つ衣替えとお片づけ

こんにちは、かわきせ日記帳の木村です。
実は歳をひとつ取りました。今年は研修や家の作業などで誕生日感をあまり楽しめませんでしたが、弟夫婦が買ってきてくれたケーキをうれしくいただきました。誕生日は年齢を実感せざるを得ないので敬遠される方、どうでもいいという方もおられますが、わたしはむしろ盛大に楽しみたいほうです。みなさんはいかがですか。

■遺言書づくりを楽にする普段からの片づけ

さて、ここ数年はこれくらいの時期からでも暑い日がちらほら増え始めていますね。衣替えのタイミングを狙っている方も多いのでは。気候もいいので、今までタンスにため込んだ大切なものを虫干ししたり、不要になったものを手放したりするいい機会とも言えます。実はこういう作業って、遺言書を書く準備にもなるんですよ。

なぜ、タンスの片付けが遺言書を書く準備と繋がるかというと、自筆証書遺言にしろ公正証書遺言にしろ、まず「ご自身に現在どれだけの財産があるか」の確認が必ず必要だからです。お若い方々ですと、お引っ越しやライフステージの変化などでお片づけをされる機会も頻繁にあるかと思います。ですが、「実家のタンスを●年ぶりに片づけた」というお家ですと、すっかり忘れられた通帳や高価な貴金属、時計などがひょっこりと出てくる可能性もあるのです。

片付けは一気にやると本当に大変です。機会ごとに少しずつ減らしていくことで、何があるかが見やすくなり、確認もどんどんしやすくなっていきます。なるべく、片づけたらどこに何を置いたかをメモして残しておきましょう。メモが面倒なら、どの部屋のどの部分かがわかるようにスマホで写真を撮るだけでもかなり違います。どこに何があるのか、ご家族にも説明しやすくなるという効果もあります(説明した後でまた場所を変える場合は、その旨もメモに加えてわかるようにしておきましょう)。

■休眠口座や持ちものを確認して財産の漏れをなくす

ちなみに休眠預金等活用法に基づき、2009年1月1日以降に最後の取引がされてから10年間取引のない口座は「休眠預金」として民間公益活動に活用してよいことになりました。この休眠預金は、普通預金だけではなく定期預金や貯金、定期積金なども対象となります。定期預金や積立金などは長期間に渡る商品が多いため、満期が来たことを忘れたまま10年以上経っていたということもあるでしょう。お仕事や子育てなど、みなさんの暮らし全般が最も忙しい時代に契約した商品も多いでしょうから、この場合は「思い出す暇もなかった」というほうが正しいのかもしれないですね。

もし休眠預金が見つかったら、一般的には取引のあった金融機関に通帳やキャッシュカード、本人確認書類など、指定された書類を持っていけば引き出すことができます。注意したいのが、2007年10月1日(郵政民営化)より前に郵便局に預けられた口座です。これらの定額郵便貯金や定期郵便貯金、積立郵便貯金(住宅積立・教育積立など)はすべて満期になっていますが、休眠預金等と呼ばれる「預金等」には当たらないそうです。そのため銀行の休眠預金とは異なり、満期後10年で発送される「満期日経過のご案内」、満期後20年経過で発送される「権利消滅のご案内(催告書)」に気づかず、2カ月経っても払戻しを請求しない場合は、旧郵便貯金法の規定により権利が消滅してしまうとのこと。ですが、期間内であれば代理人でも、郵便貯金証書や通帳がない場合でも請求できるようなので、心当たりがある方はご確認してみてください。こちらの詳細は、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険・郵便局ネットワーク支援機構のページをご確認ください。

では、この休眠預金を探し、なくしておくことがなぜ大事なのでしょう。それは、遺言書に記載する財産目録が変わってくるのはもちろんですが、もし遺言書がない状態で亡くなられた場合、遺産分割協議をする段階になって多額の預金が残された通帳がポロッと出てきたことでトラブルになることも多いからです。金や高価な貴金属、時計など換金性の高いものも同じです。そんなに高いものや大事な通帳を失くすことはあまりないとは思いますが、高齢になると、一人暮らしの方であれば施設や病院に入られたり、実家を残したままお子さんと同居されたりと環境が変わることがあります。その際に郵便局の転送手続きを忘れて通知に気づけなかったり、元の家に戻ること自体が大変になったりすることもあるはずです。だからこそ、せっかくの財産を失うことがないように、また後々のトラブルの種をつくらないためにも、衣替えがてら、普段片づけない場所などもぜひ確認してみてください。

ちなみにわたし、東京にいた頃は約18年同じ1Kの部屋に住んでいたので、Uターンする時も2トントラック1台に収まるかと踏んでいました。しかし、引っ越し屋さんには「一人暮らしの荷物量じゃないですね。一家族分あるのですべて持っていかれるなら4トンロングです」と言われた経験があります。「この1Kのどこにそんなブラックホールが……」と不思議に思いましたが、収納用具って想像以上に物が入るんですね。捨ててしまうとすっきりした気持ちになったので、それはそれでよかったのですが。

場所が空くと新しい何かを入れたくなるのが人の常です。ですが余裕はなるべく残しつつ、どこに何があるかをすぐわかるようにしていかねばなあ、とわたしもこの記事を書きつつ改めて思いました。

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